/   最新情報   /   モーターの知識   /  
電動アシスト自転車モータ種類ガイドと最適な選び方
戻る
モーターの知識
  ·  
2025-08-08
電動アシスト自転車モータ種類ガイドと最適な選び方
目錄:
適切な電動アシスト自転車用モータを選ぶことで、オンロードでもオフロードでも走行性能が大きく変わります。本ガイドでは、主要なモータタイプを分かりやすく解説し、それぞれの仕組みと適した用途を説明します。通勤、坂道走行、レジャーライドのいずれであっても、この記事を読めば自分のニーズに合ったモータを見つけやすくなるでしょう。

Eバイクモータとは?その仕組み

Eバイクモータは、電動アシスト自転車に推進力を与える中核部品です。主な役割は、充電式バッテリーからの電気エネルギーを機械エネルギーに変換し、ライダーのペダリングを補助して前進させることです。

ペダルを踏む、または一部の車種ではスロットルを使用すると、センサが入力を検知し、モータの駆動を指示します。コントローラはバッテリーから電力を取り出し、モータ内部のコイルに送電します。そこで発生する電磁界が永久磁石と相互作用し、回転力(トルク)を生み出します。この力によって自転車は前進し、より速く走れ、坂道も楽に登れ、身体的負担を軽減できます。

電動自転車モータの2つの動作モード

電動自転車(Eバイク)に搭載されるモータは、走行シーンやライディングスタイルに合わせた柔軟なアシストを提供します。主に次の2種類の動作モードがあります。
  • ペダルアシスト:ペダルアシストは、ライダーが実際にペダルをこいでいる時にのみモータが作動し、アシストを行います。センサがペダルの回転速度(ケイデンス)や踏み込む力(トルク)を検知し、その入力に応じた最適なパワーをモータが供給します。これにより、自然でスムーズな走行感が得られ、坂道の登坂や長距離走行も楽になります。
  • スロットルアシスト:スロットルアシストは、ライダーがペダルをこがなくてもモータだけでEバイクを前進させます。原付バイクのように、スロットル(グリップをひねるタイプやサムレバー)を操作することで、必要な時に瞬時にパワーを発揮します。信号発進や疲れた時のクルージングにも最適です。

なお、モータの動作モードはEバイクのモデルによって、いずれか一方のみを採用している場合や、両方を組み合わせている場合があります。

電動自転車モータの5つのタイプ

ここでは、現在もっとも一般的に採用されている5種類の電動自転車モータについて解説します。それぞれ特性やメリット・デメリットが異なり、ライディングスタイルや用途に応じて最適な選択肢が変わります。
電動自転車モータの5つのタイプ

1. インホイールモータ

インホイールモータは、シンプルな構造と手頃な価格、そしてメンテナンスの容易さから、Eバイクで広く使われているモータタイプです。ホイールハブに直接組み込まれ、駆動系(チェーンやギア)とは独立して動作します。この自己完結型の設計により可動部品が少なく、初心者から経験豊富なライダーまで幅広く利用されています。

インホイールモータは取り付け位置によって「フロントインホイールモータ」と「リアインホイールモータ」に分類されます。

フロントインホイールモータ

フロントホイールのハブに内蔵され、前輪を引っ張るように駆動します。ペダルによる後輪駆動と組み合わせることで、擬似的な全輪駆動に近い走行感が得られます。取り付けやメンテナンスが比較的簡単で、駆動系に負担をかけないのも特徴です。

一方で、フロントフォークの構造上、搭載できるモータ出力には限界があり、前輪の引っ張り感が自然に感じられない場合もあります。さらに、重量配分の影響で緩い路面や急坂ではトラクション不足やホイールスピンが起こることがあります。これを改善するには、バッテリーを車体中央に配置し、重量バランスを整えると良いでしょう。

それでも、フロントインホイールモータは街乗りや平坦な舗装路をメインに走る通勤・通学ライダー、低コストかつメンテナンス性を重視するユーザーにとって魅力的な選択肢です。

リアインホイールモータ

リアホイールのハブに内蔵され、後輪を押し出すように駆動します。従来の自転車に近い自然な加速感を得られ、特にペダルアシストとの組み合わせでスムーズかつ反応の良い加速性能を発揮します。ライダーの体重が駆動輪にかかるため、トラクション性能や登坂能力にも優れています。

ただし、モータ重量や配線の影響で後輪の着脱(特にパンク修理)がやや面倒になるほか、駆動系と一体化しているためドライブトレインに影響を与える可能性があります。また、モータのトルクに耐えるために強化フレームが必要になる場合もあります。

それでも、リアインホイールモータは平地から坂道まで幅広い地形に対応し、通勤通学だけでなくレジャーや荷物運搬にも対応できる汎用性の高い選択肢として人気です。

2. ミッドドライブモータ

ミッドドライブモータはEバイクのフレーム中央、ペダル間のボトムブラケット部に搭載されます。ホイールを直接回転させるのではなく、ライダーの脚のようにチェーンやドライブトレインへ動力を伝達し、ペダリングを自然かつスムーズにアシストします。

自転車のギアを活用できるため、動力効率が向上し、バッテリー航続距離の延長につながります。また、高トルクを発揮し、急坂登坂や険しいオフロード走行にも優れた性能を発揮します。

モータが低重心かつ中央に配置されることで、重量配分が最適化され、バランスとハンドリング性が向上します。さらに、ホイールにモータがないため、パンク修理も容易です。

一方で、チェーンやドライブトレイン部品の摩耗が増える傾向があり、構造が複雑な分、メンテナンスコストも高めです。過負荷を避けるため、非電動自転車同様、こまめなギアチェンジが必要です。

ミッドドライブモータは、マウンテンバイク、長距離ツーリング、カーゴEバイクに理想的で、パワー・反応性・地形適応力のバランスに優れ、過酷な条件下でも自然な走行感と高性能を求めるライダーに選ばれています。

3. オールインワンホイールモータ

オールインワンホイールモータは、モータ・バッテリー・コントローラを一体化したハブユニットで、前輪または後輪に組み込まれます。このコンパクトな独立構造により、通常の自転車をEバイクに簡単にコンバージョンできるため、DIY改造で人気があります。

動作は従来型インホイールモータと同様で、前輪駆動によるプル型または後輪駆動によるプッシュ型が選択可能です。外部配線や別体バッテリーマウントが不要なため、取り付けは非常に簡単です。

ただし、ミッドドライブやインホイールモータと比べると出力や長距離効率は劣ります。重量が一点に集中するため、特にコーナリングや不整地走行ではバランスを欠く場合があります。また、密閉構造ゆえに内部部品の修理・交換は困難です。

それでも、都市部での短距離移動や気軽な通勤用途では、非常に実用的な選択肢となります。

4. フリクションドライブモータ

フリクションドライブモータは、電動自転車では比較的珍しい駆動方式です。ハブやクランクではなく、小型のゴムローラを後輪タイヤに押し付け、摩擦によって走行力を生み出します。モータが回転するとローラがタイヤを直接回す仕組みで、後輪付近に外付けされ、ベルトやギアで駆動します。

最大のメリットは構造のシンプルさです。軽量・静音・取り付け容易で、ドライブトレインやホイール構造を変更せずに導入可能です。既存の自転車を低コスト・短時間で電動化したいユーザーに好まれます。

しかし、雨天や急坂ではスリップしやすく、信頼性と効率が低下します。ローラがタイヤに直接接触するため、両方の摩耗が早くなります。また、インホイールモータやミッドドライブと比べて出力は控えめです。

そのため、高負荷や過酷な地形には不向きですが、平坦な都市部での短距離通勤や週末の軽いサイクリングには適しています。

5. ベルトドライブモータ

ベルトドライブモータは、従来のミッドドライブモータとは異なり、金属チェーンの代わりに強化ベルトを用いて後輪へ動力を伝えます。ベルトはカーボンファイバー強化ゴムなど耐久性と柔軟性を兼ね備えた素材で作られています。

潤滑不要で錆びず、チェーンオイル汚れの心配がないため、メンテナンス性は非常に高く、走行音も静かです。

一方、極端な環境下では耐久性が低下し、重荷やアグレッシブな走行ではチェーンより早く摩耗する場合があります。また、外装変速機との互換性が低く、内装ハブギアやシングルスピード構成に制限されることが多いです。

そのため、静音性や快適性を重視する都市通勤者やレジャーライダーに最適な選択肢です。

電動アシスト自転車用モータの選び方?

理想的なeバイク用モータを選ぶ際は、利用目的や走行環境によって最適解が異なります。以下のポイントを考慮することで、自分に最も合ったモータタイプを見極めることができます:
電動アシスト自転車用モータの選び方?

出力と速度

モータ出力(ワット数:W)は加速力、最高速度、坂道走破性に直結します。平坦路での軽いアシストなら250W程度、険しいオフロードや重い荷物を運ぶ場合は750W以上が望ましいです。出力が高いほど加速や登坂は楽になりますが、バッテリー消費も増加します。普段の走行環境と必要なアシスト量を考慮しましょう。

モータのサイズと重量

モータのサイズは性能と持ち運びやすさに影響します。階段で運ぶ場合や持ち運び頻度が高い場合は軽量なシステムが有利です。ミッドドライブモータはバランスと効率に優れますが重量は増加します。一方、インホイールモータは軽量かつコンパクトで、折りたたみや通勤用自転車に適しています。

ライダー体重と積載量

ライダーの体重や荷物の有無はモータ負荷に影響します。メーカーの最大積載重量を必ず確認し、超過しないようにしましょう。重量が増えるとモータ負荷やバッテリー消耗が増え、坂道性能にも影響します。特に重い荷物や急坂を走る場合は、高トルクのモータがおすすめです。

走行環境と条件

砂利道、未舗装路、雨天などはモータのトラクションに影響します。急坂や悪路、強風下での走行が多い場合は、効率的なパワー伝達と重心バランスに優れるミッドドライブモータが有利です。一方、舗装された平坦路が中心ならインホイールモータなども快適です。

予算とメンテナンス

予算や維持費も重要な判断材料です。インホイールモータは比較的安価でメンテナンスも少なく、カジュアルライダーに向いています。ミッドドライブモータは高性能ですが、ドライブトレイン摩耗やメンテナンスコストが高くなる傾向があります。

インホイールモータ vs ミッドドライブモータ(電動自転車用)

インホイールモータとミッドドライブモータは、現在電動自転車(E-Bike)で最も普及している2つの駆動方式です。以下の表では、それぞれの主要な特徴と適した使用シーンを簡潔に比較し、あなたの用途に最適なモータタイプを選ぶ参考にしてください。

特徴 インホイールモータ ミッドドライブモータ
搭載位置 前輪または後輪のハブ(車輪の中心部)に内蔵 フレーム中央のボトムブラケット(クランク軸)部に搭載
駆動方式 ホイールへ直接駆動力を伝達 自転車のドライブトレインを通して駆動
エネルギー効率 中〜高効率 低〜中効率
走行フィーリング 前輪では「引っ張られる」、後輪では「押される」感覚 ペダルを通じた自然でスムーズなアシスト感
登坂性能 特に前輪駆動では坂道に不向き 自転車の変速機を活用し、急勾配にも強い
ハンドリング 特に前輪タイプではハンドリングへの影響あり 車体重量のバランスが良く、操縦性への影響が少ない
メンテナンス頻度 ドライブトレインへの影響が大きく、メンテナンス頻度が高め メンテナンスは最小限
タイヤ交換の容易さ モータの配線や重量により作業がやや複雑 モータがホイールと別のため交換が容易
コスト 一般的に低価格 一般的に高価格
最適な用途 都市部通勤、平坦路、日常の移動 登山道、ツーリング、急坂走行


Fukuta - 信頼のEバイクモータパートナー

FUKUTAは各種モータの特性を熟知した電動アシスト自転車用モータメーカーです。長距離ツーリングの効率性、険しい地形を攻略するパワー、日常通勤のシンプルさまで、お客様のニーズに合わせた高性能かつ信頼性の高いモータソリューションを提供します。

耐久性とスムーズな走行性能を体感したい方は、ぜひ当社までお問い合わせください。